日本たばこ産業(JT)が、即席めん最大手の日清食品と共同で、冷凍食品大手の加ト吉を買収する方向で最終調整していることが20日、分かった。冷凍食品事業を強化したいJT、日清の意向に対し、不正会計取引問題の発覚で創業家が経営を退き、業績回復への出直しを迫られている加ト吉という3社間の思惑が一致した。月内に3社間で正式合意する見通し。
まず、JTが近く加ト吉の全株取得を目指し、株式公開買い付け(TOB)を実施する。TOB成立後、JTは上場廃止となった加ト吉の株式49%分を日清食品に譲渡する方針。JTは加ト吉株の過半数(51%)を保有して、事業の主導権を握る考え。
今回の買収で、JTは国内で消費低迷が続くたばこ事業に続く第2の収益の柱として、食品事業の育成を掲げている。加ト吉とは平成12年に冷凍食品事業で資本・業務提携しており、現在の出資比率は5%前後と上位株主の位置にある。17年6月には、金森哲治氏(現・加ト吉社長)を取締役として送り込んでいた。
一方、日清食品は、昨年、明星食品を買収して国内シェア5割を超える即席めんメーカーとなったが、高齢化のなかで同市場は飽和状態に近づいている。こうしたなか、水産関係を中心とした冷凍食品事業に強みを持つ加ト吉と資本・業務提携関係を結ぶことで、付加価値の高い加工食品の事業拡大を図れる利点があるものとみられる。
加ト吉は伝票上で売買を繰り返す循環取引問題に加え、ミートホープ(北海道)の偽装肉事件や中国食品の安全問題の影響による減収減益要因も発生し、今月2日には業績を大幅に下方修正していた。
株価も直近10年間で安値圏にあり、業績回復へ出直しを迫られている状況にある。
